二月初め頃に手に入れました。岡山県で採取されたミナミヌマエビなのですが、特徴的なのはその色と模様。

こんな感じで、体の一部に濃い色が出て残りの部分は半透明色のものを合計で10匹ほど。何が驚きかというと、まとまった数で、採取された時点でこの発色で今もその色がほぼ維持されており、さらにオスとメスが揃っていたということです。こういう色合いは、ミナミヌマエビを色や柄での固定を目指して選別しながら年単位で累代飼育をしている方の水槽で出てくることがあるようです。また、天然採取でもごくたまに選別時に見つかるようなのですが、ネットで検索した限りでは単体で見つかっている記録ばかり。オスメス揃っている時点で奇跡かな…と思いました。

「あの川にルリー捨てたの誰ですか?先生怒らないから正直に言いなさい」と言いたくなりましたが、ルリーではないようです。

個人的にこの変わり種たちをイレギュラーズと呼んで、見た目の違いからあれこれ名前を付けています。個体識別できるエビを10匹単位から飼うなんて初めてです。プレッシャーが凄まじいです。このエビたちはいつ生まれかは分かりませんが、既に最大サイズまで育っていたので、まとめてほぼ同世代で残り寿命はそんなに長くないと判断し、とにかく生きているうちに次世代の子を取ろうと、イレギュラーズだけの隔離水槽に26℃固定ヒーターを導入して加温飼育でエビを活性化させました。そして…

いくつかの個体の抱卵を確認し、無事稚エビが放出され、現在その稚エビを育てているという段階です。

最初の子が孵ってまだ3週間ほどですが、一番大きい子がそろそろ1cmになりそうな感じです。時間差で孵っているので、じわじわと目に付く稚エビが増えていっています。

ミナミヌマエビの抱卵から孵化までの積算温度は620℃と言われているようですが、26℃固定ヒーターで水温計も26℃を指していて、複数の個体が抱卵から16日、積算温度416℃で孵化してしまいました。加温すると指数関数的に積算温度が変動するものなんでしょうか。意識して観察したのはこれが初めてだったのでよく分かりませんが、予定より1週間くらい早く孵っていろいろと焦りました。なんとか支度は間に合ったようです。


また、家で飼っている天然採取ミナミヌマエビの普通色メスをイレギュラーズ水槽に複数追加して、イレギュラーズのオスと交配することを確認しました。なお、購入ミナミの普通色メスも追加しましたが、こちらは交配しませんでした。少なくともこのイレギュラーズは天然ミナミの体色変異個体であると言えそうです。確認のために追加した普通色メスは、確認が終わった順に別水槽へ移しています。イレギュラーズ水槽にいる稚エビはイレギュラーズの子だけにしています。

今はひたすらに次世代稚エビを育てることに特化していて水槽内が小汚いため、写真も小汚くなってしまうことにぐぬぬ…となったり、春になりぽつりぽつりと親世代が寿命を迎えて落ちていく時間との戦いに胃を痛めながら、このイレギュラーズを見守っております。親世代残り4匹(オス1メス3)です…貼り付けた画像の2枚目から4枚目に写っているエビたちです。まだ抱卵しているので、あと少し、がんばって欲しい。

このイレギュラーズ親世代については、また詳しくお話ししようと思います。

次世代に親世代の表現が受け継がれて、面白いものが出てきたらいいな…と夢が広がります。

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